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霧雨の降る森(上・下)

個人の方が作ったフリーホラーゲーム(ツクールの)「霧雨の降るの森」のノベライズを読みました。
わたしは自分でこのゲームをやってはいなくて、実況動画で知ったわけなのですが。はじめはとうらぶの周回プレイの気を紛らせるために見ていたのですが(申し訳ない)、物語やキャラクターに惹かれてまじめに見るようになった次第。
登場キャラクターはかなり少ないのですが、なんというか、ボーイミーツガールぶりが久々に清々しく感じたんですよね(内容はけっこうドロドロなのに。笑)。

ゲームはヒロインのシオリの両親が彼女の誕生日に交通事故に合い、ふたりとも他界してしまうところからはじまります(いきなり暗い)。その夜、彼女は父親の部屋で祖父とおぼしき人の写った写真を見つけます。しかし彼女には祖父がいるという記憶がありません。そもそも、ある一定の年齢以下の記憶も欠落しています。ひとりになってしまった寂しさから、大学の夏休みにルーツを探るべく、父親の故郷である村を訪れます。そこで村の資料館の管理人をしている同世代の青年、須賀と出会うも、彼はシオリを冷たく追い返そうとします。そこには古い村の陰惨な歴史と因習からうまれてしまった「ことりおばけ」の存在と「あの男」、シオリと須賀の『過ち』と呪われた『約束』が関係していたのでした。


キャラクターのイラストやしゃべり口調からは、暗いホラーという感じではありません。須賀青年はいかにも影を背負っている雰囲気ではありますが(笑)。
簡単にキャラ説明を。

シオリ
このゲームのヒロイン。勇気や行動力のある大学生(19歳)。幼い頃の記憶がなく、両親の他界を機に祖父の存在を知りそこにいるであろう村を尋ねるに至るも、すでに病死していることを知る。記憶を失っているが、過去彼女はこの村の住人で、須賀とも友達だった。村の奥にある森にいる「ことりおばけ」と『約束』をしてしまったため、ある方法で強制的に記憶を消されていたのだった。その『約束』は須賀を守るためにしたものだったが、結果、彼と引き離されることになってしまった。

須賀
シオリと同い年ほどの青年。言葉が話せないので、常に筆談で対応している。
幼少期はシオリの友人で、自分の過ちから取り返しのつかない『約束』を彼女にさせてしまったことを悔いており、「ことりおばけ」から彼女を守るため、村に留まって孤独に耐えながら森を監視し続けている。彼が言葉を失ったのは、シオリをすぐに連れて行かないで欲しいと『ことりおばけ』に願い、その約束を取り付けたことによる代償。

佐久間
村の資料館(シオリの元実家)に入り浸っている中学生。村の名士の娘だが、学校では浮いた存在。人には見えないものが見える体質。「ことりおばけ」の存在も感じ取ることが出来る。

望月
交番勤務の警官。バスが配線になったことを知らずにやってきたシオリを村まで送ってくれる。


ほぼ4人しか出てこないゲームです。あとは人間じゃないんで(笑)。
このゲームの要、子供を攫う「ことりおばけ」は言い伝えとして昔話の類いで村に伝承されてきた存在。このことりおばけは、かつてある男(ことりおばけ曰く「あの男」)の歪んだ愛憎と独占欲によって濡れ衣を着せられ、夫と子供を殺され、男たちの慰み者にされた美しい既婚女性の成れの果て(怨霊)。彼女は怨霊となっても失った自分の子供を探し求めている(がそれが満たされないので村の子供たちを攫って自分の子供に仕立てている)。
このあたりの過去は、小説版では詳しく描かれていますがゲームではその断片を知るのみです(それでも充分察することが出来る)。
彼女の子供の霊は森に存在しており、その子もまた母親に会いたがっています。しかし、彼女のまわりには彼女の手によって殺されてしまった子供たちの霊がとりまいており、近づけないのです(というか、その子供たちが近づかせないようにしている?)。
元々ことりおばけがうまれてしまう前から、この村には忌むべき場所と歴史が存在していたようです。金田一シリーズ的な、閉鎖的で排他的な田舎にある因習が。
シオリの家の先祖は早い段階からことりおばけを成仏させる方法を知っていたようです(ことりおばけになってしまった女性の血脈だったりもする)。そのための場所や道具も準備していたようですし。
子供の霊とことりおばけを再会させ、あるアイテムを持った状態なら、霊たちはみんな成仏。呪いは解け、須賀も声を取り戻し大団円になります。バッドエンドでは、須賀が死亡したり、シオリはまた記憶を失ったりとバッドらしく、全然幸せじゃありません(汗)。
ベストエンドのシオリと須賀のやりとりが甘酸っぱいし、これからふたりはどうなるのかなぁという想像が膨らむ終わり方をしてくれます。

シオリは自分が須賀を守ると幼少期に約束をし、そのシオリに忘れ去れてもじっと一所で森の霊から彼女を守り続ける須賀青年。
須賀くんが青年になってもシオリを「しーちゃん」と呼んでいるあたりにも注目です(笑)。

ゲームをプレイするか、実況動画を見てから本を読んだ方がいいと思うので、興味がある方は動画をググってみてください。

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